Column — くらげぶろぐ出張編

これから上京するあなたへの処方箋☂️

稚依むにた(著) 2025.12 #上京 #キャリア
Foreword 権上 裕介(TOKYO≠LICKS 主宰)

元国家公務員、厚生労働省労働局の人間から見た「稚依むにた」分析。これは原点回帰か、それとも近年のSNS文化やAIOに対する反抗か、ただの気まぐれか。

今回掲載するこの文章は、いわゆる誰にとっても「読み心地の良い文章」ではない。寄稿いただいたのは、「稚依むにた」氏。もともとは、彼がクライアントや名刺を交換した人向けにクローズドに運営している会員制ブログ「くらげぶろぐ☔️」に掲載されていたエッセイ群を、私が読むようになったことがきっかけである。

名刺のQRコードやメールのURLを持つ人間しか辿り着けない、彼からしたらクライアント企業やパートナー業者向けのおまけ的なメルマガ日記のような、いわば半ばインナーの文章だ。 それを、今回は外に持ち出すことにするか交渉して、結論として最初の3投稿程度は書き下ろしてもらうことになった。

現に私も彼の設計事務所に発注をしたことがある一人だが、私の仕事仲間やパートナーの業者も、 とにかくスピード感が欲しい時や、なんとかして成果を出して欲しいとき、まず彼にWEB施策を頼んでいるようだ。非常に頼もしい。ただ今回は、ビジネスマンとしての稚依むにたの文章を載せるのも違うと感じた。

あえてここに出すことにしたのは、彼の文章が「誰にでも役に立つ」からではなく、「意思決定の前提条件に介入する力」を持っているからだ。現に彼はこういった手法で見込み顧客を集め、クライアントからの発注に繋げ、継続率を上げている。おそらく彼は事業会社の担当者や決裁者に刺さる設計、ハイキャリア層に届くフックの構造を人一倍理解していると見ている。

そしてそれがクローズドに流通している点にも意味がある。これは単なる情報発信ではなく、流通経路まで含めたコミュニケーション設計であり、いわば限定的な市場の中で信用を醸成する仕組みとして機能している。現在主流になりつつあるAIO的な拡散前提やYouTubeやSNSでの認知を取るリスク許容度の大きい 強者の設計とは対照的であり、別のロジックで成立している点、そして彼自身はリスク許容度が大きい意思決定をしている傾向にあり、そこも興味深い。

私はこれまで労働行政の現場に身を置き、制度や雇用や組織運用といった構造を扱ってきた人間だが、その視点で見ると、むにた氏の文章はコンテンツというより前提条件の再定義に近い。

表面的にはビジネスや都市論の体裁をとっているが、実際には評価軸や判断基準そのものを書き換えている。たとえば「都心の空気感」といった曖昧な概念を、そのままにせず、「〇〇資産」や「信用コスト」といった変数として定義し、計測可能な指標に接続することで、 解釈の余地を意図的に狭めている。これはある種、逃げ道を塞ぐ書き方だ。

さらに言えば、読み手が日常的に感じている違和感、例えば非効率に見える人間やコストに感じる関係性といったものを、曖昧なまま放置せず、構造として切り分けて提示してくる。この点は、現場での是正指導や制度運用に近い感覚がある。

通常、この種の内容は読者を選ぶし、場合によっては離脱も起きる。しかし彼の文章は、生々しさと抽象度のバランスを意図的に崩さずに維持している。 おそらく観察者としての距離感と、現場のプレイヤーとしての実務感が同時に存在しているため、このラインで成立しているのだと思われる。

私が最初に読んだエッセイの一つに、「パパ活女子向け!相手のお財布の中身を知る技術」というものがある。タイトルだけ見れば軽い内容に見えるが、実態はまったく異なる。IR資料やPLやBSの読み方から始まり、相手の資産構造や意思決定の癖をどう推定するか、さらには弁護士保険の具体的な活用に至るまで、一貫して他者のリソースをどう把握し、どう活用するかという話が展開されている。

倫理的な評価は分かれる余地があるが、それ以前に検討すべきは、なぜこの種の知識が限定的に流通しているのか、そしてなぜそれが業種をまたいで受注に転換しているのかという点だろう。

彼の文章は、情報の非対称性を前提として設計されている。そのため一般的な自己啓発のような快適さはないので読み手を選ぶ。だが現実の構造には比較的忠実である。読み進めるうちに、 実務側の人間ほど既視感や納得感を覚えカタルシスを得るような構造になっている点は特徴的だ。

今回のコラムは、「これから上京する人」に向けて書き下ろされたものだ。ただし内容としては、努力すれば報われるといった 一般論や東京のおすすめエリアの紹介などではない。むしろ前提が適合していない状態では機能しないという整理に近い。

TOKYO≠LICKSというメディア自体、承認欲求を満たす場ではなく、意思決定者が発注可否を判断するための信用インフラとして設計されている。その観点で見ると、この文章は単なる読み物ではなく、評価材料としても機能し得る。

都市での意思決定は、情報量の多寡ではなく、どの前提を採用するかに依存する。前提がずれていれば、行動の最適化を重ねても結果は収束しない。この点は制度運用でも同様であり、初期条件の設定が結果を規定する。

この文章は、その初期条件に対して直接介入してくる。そのため、読む人間や読むタイミングを選ぶ。

なお、彼はAIやAIOといった領域にも精通しているが、本質はそこではない。むしろ、そうした技術が前提化した環境下で、どのように人間同士の直接的な発注や信用形成に接続させるかという点に軸がある。ここは実務として見ても再現性の検討余地がある領域だ。

現時点で必要性を感じない場合は、それで問題ない。ただし、前提が変わったときに、この文章の解釈も変わる可能性はある。

はじめまして

はじめまして。稚依むにたです。

こういう、いわゆる“レトロなビジネスメディア”という形式は、インターネットの進化とともに一度死んだはずだと、僕は思っていました。

ブログ的な文体で、誰かが思想を語り、そこに一定数の読者がつく。しかもそれがビジネスと接続されている。これは2015年前後で一度ピークを迎えて、その後SNSの断片化と動画コンテンツに押し流されていったジャンルです。

それが2025年にもなって、形を変えて再構築されている。実はここだけの話、僕の周りで最近またWEBメディアが増えてきています。この現象自体は、かなり面白いと思っています。なぜなら、情報のフォーマットが一周回って、再び“長文”に回帰している兆候でもあるからです。

SEOとAIOの構造

これは専門的な視点で言うとおそらくSEOの退化とAIOの主流化でしょう。AIO対策のためにとりあえず、Googleの公式のE-E=A-T的な情報を増やす。そしてSEOでは指名検索を増やす。コンテンツを作る度にLLMOも対策される自動導線を作る。

「AI検索分析 × LLMO対策 × GEO分析」→AIO運用するために答えわからない中とりあえずランキングサイト作りまくる。

この動線としてなんとか権威性や専門性のあるメディアをWEBに構える。これを多くの業者が必死にやっています。

TOKYO≠LICKSについて

じつは「TOKYO≠LICKS」というこのメディアがスタートすると聞いたとき、僕は権上さんに対して、ひとつだけ強くお願いしました。国家公務員として培ってきた“行政の視点”を絶対に捨てないでほしい、と。それだけで他の業者と十分に戦えます。この戦争は物量がものを言います。少なくとも権威性と専門性は権上さんの労働局での長年の知識と、豊富なITやバックオフィスの知識が必要です。

メディアの役割

またコンテンツとしてもこのメディアは、よくある「承認欲求を満たすための掲載メディア」になった瞬間に終わります。

そうではなくて、決裁権を持つ人間が、掲載されているプレイヤーの“信用コスト”を測るための装置であるべきです。さらに言えば、掲載者同士が互いに発注し合うための、かなり実務寄りのマッチングハブとして機能しなければ意味がない。

それを成立させるためには、掲載される側の人間が“エンドクライアントからの信用を毀損しない”ことが前提になります。

そして最終的には、「権上とその周辺に頼めば、なんとかなる」という認識をクライアント側に持ってもらう必要がある。つまりこれは、個人の集合体でありながら、擬似的に“信用共同体”を作るという設計です。

権上さんのバックグラウンド

ここで少しだけ、権上さんのバックグラウンドの話をしておきます。皆さんの公務員に対するイメージを一旦整理しましょう。

彼が所属していた労働局というのは、いわゆる厚生労働省の地方特別機関で、労働基準監督署やハローワークを統括する上位組織です。一般的にイメージされる“公務員”というのは、市役所の窓口にいる人たちかもしれませんが、実態はかなり違います。

労働基準監督署が現場での調査・指導・摘発を担うのに対して、労働局はもっと上流のレイヤーで、雇用政策全体、安全衛生、男女均等など、より広い領域を統括している。つまり“個別事案”ではなく“構造”を扱う仕事です。

僕自身、補助金や助成金の申請で何度も行政とやり取りしてきましたが、「国家公務員で、一定期間きちんと勤めていた人間」、しかも労働局出身となると、かなり広範な知見を持っています。これは単なる肩書きではなく、思考様式の問題です。

だからこそ、この種の受発注プラットフォームを作る上で、信用に足る人物だと判断しました。

現在の動き

実際、彼はすでに動いていて、デジタル領域で実務ができる人間を複数巻き込み、エンドクライアントと受託者をつなぐハブを作り始めている。これは普通に良い動きです。さらに、TAM LABOの登記住所を東京都内に置くことにこだわったのも重要で、これは単なる形式ではなく「東京というゲームに参加するための前提条件」を満たしているということです。

彼はIT企業で数百億規模のプロジェクトを回してきた人間なので、システム設計については正直放っておいて問題ありません。むしろ見るべきは、その上にどんな“意味”を乗せるかです。

このメディアは、ただの情報発信ではなく、実利を持った装置です。この一点に気づけるかどうかで、使い方が変わります。

もし自分が若かったら

もし僕が今、若くて実績ゼロの状態だったらどうするか。

これは割とシンプルで、迷わずこのプラットフォームをハックしに行きます。権上さんという“盾”の後ろで実績を積みながら、どこに抜け道があるのか、どこで信用が発生しているのかを観察する。

審査基準が「年代別の年収+実績」という、いかにも数値的でありながら抜け道のありそうな設計になっているうちに、若い人間は入っておいた方がいい。ルールはいつか厳格化されるので、初期に入った方が有利なのはどのプラットフォームでも同じです。

本題

さて、本題に入ります。

テーマは「上京する人へ」とのことですが、

正直な話をすると、結論ここまで書いたことを踏まえて

「国家公務員になりましょう!そこで結婚しよう!」です。

国家公務員ルート

まず国家公務員ですが、最近、副業禁止の法律にメスが入り始めています。

引用「人事院HP」:https://www.jinji.go.jp/kouho_houdo/kisya/2512/jieikengyo_00001.html

まず凡人がお金を手にいれるルートとしてリスクを背負いたくない場合、公務員は良いです。そして現在進行形でインフレは進み、 給与は上がらず、その上でAIが突発的な産業革命を推し進めています。1~2年でホワイトカラーが5~6年でブルーカラーも仕事は少なくなるでしょう。 基本的には各部署トップと営業と経営者で会社は運営されるようになるでしょうし、まずは替えのきく『中抜きされるだけのホワイトカラー』から順に淘汰されていきます。しかし、公務員だけは話が別です。

彼らには国が保証する『最強の与信』という武器がある。 インフレ下において、現金の価値は目減りします。今日の1万円は5年後には7千円くらいの価値になっている可能性もあります。 一方で銀行から低金利で引き出せる『信用枠』の価値は相対的に上がります。 凡人が上京して最初にすべきは、自分の労働力を安売りすることではありません。 20代のうちに公務員という身分を手に入れ、同じく公務員や銀行員などのパートナーを見つけ、 『ペアローン』という名のレバレッジをかけて、都内の資産性の高いマンション(中古でも良い)を1億数千万で握ること。 AIがどれだけ進歩しようと、物理的な土地の希少性と、銀行が『国に雇われている人間』に寄せる盲目的な信頼は、そう簡単には崩れません。

そもそも、自力で「民間企業で」稼ぐことに固執するのも他人にそれを強要するのも全て、構造を理解していない者の振る舞いです。 この都市で賢く生きるとは、自分の能力を磨くこと以上に、『どの制度の、どの蛇口を狙って、どのリスクを取るか』を冷徹に選択することに他ならないのです。 つまり、私が提案する処方箋の一つは、夢を追うことではなく、徹底的に『制度の寄生虫』として最適化されたポートフォリオを組むこと。 そこからが、本当の意味での『東京攻略』のスタートラインです。」

そして、そもそもほとんどのビジネスは弱いうちは法律の変動期や一時的に特殊な状態になった瞬間がチャンスです。てことは現在のように「AI」みたいな ものに現時点でとびつけていない状態だとかなり厳しいのです。「勉強してから」だと遅いのです。

パターンAまとめ

まず公務員になって公務員と結婚する。ダブルインカムで20代のうちに満額で50年ローン変動金利でペアローン組みましょう。 「国家公務員」であれば正直年収の10倍程度まで一人につきかりられます。28~29歳で550万程度はいくでしょうから、 1億強のマンションを都内に頑張って書いましょう。都内のタワマンは無理ですが、それなりのマンションの築浅中古は狙えます。

さてここからがやっとゲームスタートです。投資なんてしなくて良いです。NISAやiDeCoに満額ぶっ込むくらいはありですが、それは富裕層の発想です。 あと国が用意した節税制度はしっかり勉強して自分で選択しましょう。例えば新NISAとか結構危険な香りがしますよね。「非課税」と「無税」は違います。 今、新NISAを全力で推している国が、30年後も同じ顔をしている保証なんてどこにもありません。 むしろ、将来的な財政赤字の帳尻を合わせるために、国が取れる手段はいくらでもあります。

僕が国だったらこうします。例えば、『金融所得課税の一律引き上げ』。あるいは、もっと巧妙に『社会保険料の算定基準に、NISAの売却益を算入させる』という手口などを用いて。 形式上の『所得税』は非課税のままにしておき、裏側の『社会保険料』という実質的な税金で吸い上げる。これなら、公約を破らずに、高齢化した投資家層から効率よく『徴収』が可能です。 しかも大体の国民はその頃にはAIで思考回路が弱まっていて理解できません。暴動もSNSでしか起きません。何より若者は100%減少しているでしょうから暴動も起きないかもです。

そもそも、マイナンバーと紐付けられた証券口座は、国家から見れば『個人の資産残高がリアルタイムで更新される名簿データ』のようなものです。 資産が透明化されるということは、実際使われている節税スキームをどんどん消していって、逃げ道をなくしていけるということです。 『危ない』のは市場の暴落ではなく、『自分の資産の首根っこを、ルールをいつでも書き換えられる側に握らせている』というその無防備な構造そのものです。 そう考えると資産を作るにも守るにもそこまで色々考えなくても良い公務員は良くないですか?ある意味で詰むことはないのです。

また不動産に関してはSNSで情弱向けの「変動金利危ない」「インフレが」「家買うやつはバカだ」みたいなマーケは信用しなくて良いです。 そもそもこういった議論は「日本」「東京」「都内」「都心」「地方都市」などを分けて考えましょう。 本題に「上京」という言葉がある通り、 ある意味「東京都内は物価やルールが違う国」だと考えるのが良いです。これが「前提の整理」です。これができるようになるのが生きやすくなるベースです。

もちろん近年は都心を中心に異常な値上がりをしているので頭打ちや下ブレする可能性もあります。でも考えてみてください。 僕が若いうち、現在の制度のうちに、庶民にこそリスクとって「都内の1億程度の不動産購入」を勧めるのは(エリアによる) 富裕層相手の課税や法整備、制度設計の方が『ルール変更のコストが高い(=国が手を出そうとすると多方面に摩擦が生じる)領域』だからです。 また、郊外や地方は下がっても都心の不動産はほぼ確実に値崩れは遅く、また復活するからです。

本題に戻すと、公務員同士で結婚したらそこからは18時には帰宅して副業を始めましょう。 「公務員+個人事業主」これができる法律が整ったら最強です。

さて、これがパターンAです。

パターンB(公務員以外のルート)

ここからはそうはいかないパターンBを書いていきます。本当に副業はOKになるのでしょうか?公務員の皆さん頑張ってください。

パターンBは普通になんとなく上京してきた人のパターンです。民間で稼いだり、自分たちで商売したりするパターンです。

これ難しいのが、例えば最初は「東京と地方の違い」とか「AI時代のビジネス活用」というテーマのリストがあって、それでは全く筆が進みませんでした。

理由は簡単で、それは“東京の外側の人間が期待しているコンテンツ”であって、東京の中で生きている人間にとっては、ほぼ無意味だからです。ここに書くのも無意味かもしれません。 まずは、「東京は便利で良い街です」「東京は誰にでも居場所があって楽しいです」「お金のない東京が嫌いな人もいます」「お金のある東京が嫌いな人は人生上がって飽きてるだけです」これは絶対です。 思想でもなんでもなくてこの前提で、ゲーム的に捉えてみましょう。

東京というゲーム

東京のルールは、地方の延長線上にはありません。別のゲームです。僕は田舎生まれ、 地方都市育ち、20歳くらいで東京都内に実家が変わりました。なので嫌というほど格差を理解しています。

ここでは、テクニックの話はしません。前提の話をします。

最適化の罠

まず思うのは、いまの日本は、階層が異常にはっきりしてます。社会との接続が少ない人ほど、どこを見ても 「最適化」と「ライフハック」の話ばかりです。効率を上げる、無駄を省く、ショートカットを探す。これ自体は間違っていないのですが、問題は“前提が間違ったまま最適化している人間が多すぎる”ことです。

間違った地図で最短ルートを探しても、目的地には着きません。

そして皮肉なことに、この“最適化思考”に強く依存している人ほど、東京では負けやすい構造になっています。なぜなら、同じことを考えている人間が大量にいるからです。

差分が出ない。

転勤族の視点

ここから少し具体の話に入ります。

僕は転勤族として育ちました。都道府県単位ではなく、もっと細かい単位で環境が変わる生活です。地域ごとに文化が違い、価値観が違い、人との距離感が違う。その中で生きてきた結果、「地域ごとにOSが違う」という感覚が自然と身につきました。

同じ日本でも、評価軸は全く違います。

コミュニケーションの断絶

会話のスピードも違うし、何をもって“感じがいい”とするかも違う。どこで地雷を踏むかも違うし、そもそも何が正解かの定義すら違う。

この差分を無視したまま東京に来ると、ほぼ確実にコミュニケーションが崩壊します。

よく「東京の人は冷たい」と言われますが、あれは誤解で、単に“自分と関係のない人間にリソースを割かない”だけです。合理的なだけであって、冷たいわけではない。

逆に言えば、関係性が発生した瞬間に、驚くほど丁寧になります。

東京と都内

次に重要なのが、「東京」と「都内」を分けて考えることです。

地方の人がイメージする東京は、渋谷、新宿、銀座、六本木、表参道あたりを雑に混ぜたものです。でも実際の“都内”は、もっと静かで、もっとドライで、そして圧倒的に階層化されています。

構造で動く都市

そして、この“誤解された東京像”を食い物にしている人間が一定数存在します。インフルエンサー、自称起業家、デザイナー。このあたりの人種は、抽象度の高い言葉を使って“東京っぽさ”を売るのが上手い。

ただ、それに乗っても構造は変わりません。

都内は、期待値ではなく構造で動いています。

評価の現実

評価項目の数も、地方とは比較になりません。見た目、会話速度、文脈理解、肩書き、知識、空気の読み方。これらを同時にスキャンされます。そして母集団が大きいので、平均値が高い。

結果として「60点以下は全部同じ」という扱いになります。

これは残酷に見えますが、ただの統計です。

自力の限界

ここで重要なのが、“自力”の限界です。

東京は、自力で頑張る人間を否定はしませんが、あっさり上限にぶつかります。なぜなら、すでに自力で結果を出している人間が大量にいるからです。

そこで出てくるのが“戦略的他力本願”です。

他力の構造

他人の信用を借りる。他人の速度を借りる。他人のリソースを借りる。これはサボりではなく、都市を攻略するための前提スキルです。

4億5千万の家

実際、僕が「住みたい」と思った家が4億5千万だったときに、この構造は完全に理解できました。あの価格帯は、普通のサラリーマンが努力して到達できる領域ではありません。

キャッシュで買うか、贈与か、法人か、投資回収前提か。

つまりゲームが違う。

他力の前提

この瞬間に、「自力でなんとかする」という発想自体がズレていることに気づきます。

だから結論はシンプルです。

自力は手段であって、最終的には他力が前提になります。

選ばれる理由

ただし、ここで勘違いしてはいけないのは、「他人を動かすテクニック」を覚えればいいわけではないということです。

そうではなく、「この人のためなら動いてもいい」と思わせるアセットを作る必要がある。

人間的魅力でもいいし、実績でもいいし、思想でもいい。とにかく“選ばれる理由”を設計する。

インターフェースとしての人間

都市における他人は、単なる人間ではなく、インターフェースです。

そのインターフェースとして機能できるかどうかで、使えるリソースの総量が変わります。

ショートカット

東京には、個人の努力を無意味にするレベルのショートカットが大量に存在します。ただし、それにアクセスできるかどうかは別の話です。

構造を読める人間だけが、その入口に立てる。

誰かに好かれる設計

これから上京する人に一つだけ言うなら、「好かれる人間になれ」ということです。ただし、これは性格の話ではなく、構造の話です。

誰に、どの文脈で、どう好かれるか。それを設計してください。

それでは本日も、良い夜を。ここまで読んだあなたにだけ。おやすみなさい☂️

文 / 稚依むにた  前書き / 権上 裕介(TOKYO≠LICKS 主宰)